政府は、郵政事業の見直しに関する基本方針を閣議決定した。郵便局で郵便、銀行、保険の3事業を一体運営することでサービスの向上を目指し、郵便だけに課せられている全国サービスを金融2社にも拡大するという内容だ。
これを受け政府は、26日に召集される臨時国会に日本郵政グループの株式売却を凍結する法案を提出する。小泉政権以来、自公連立政権が進めてきた郵政民営化路線を大転換する作業が具体的に始まったことになる。
人事も刷新される。日本郵政グループの持ち株会社、日本郵政の西川善文社長は辞任を表明した。
西川氏は、小泉政権時代の06年に民営化の準備会社である日本郵政の社長に就任し、民営・分社化後の日本郵政の初代社長となった。「かんぽの宿」の売却をめぐる問題があったものの、今年6月に再任された。
しかし、郵政民営化の道筋が西川氏の描いていたものとは大きく異なることになるのは明らかだ。西川氏は郵政民営化の象徴的な存在だっただけに、辞任は当然の帰結だろう。
郵政事業は、日本郵政の下に、郵便局会社、郵便事業会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険がぶら下がる形で再編された。そして、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式を上場し、その利益をもとに郵便局のネットワークを維持し、郵便事業を継続できる基盤をつくるというのが、これまでのシナリオだった。
この計画は根底から覆り、郵便、ゆうちょ、かんぽの3事業を一体運営する方向へ改められるわけだが、だからといって、郵便局のネットワークを維持して郵政3事業を安定的に運営するための方策を連立与党が示しているわけではない。
財政投融資制度の改革が進む中で、役割を終えた巨大な公的金融機関をどうするのか、そして、情報伝達の電子化が進む中で郵便事業の継続といった問題にどのように取り組むのかというのが、郵政改革をめぐる問題の本質だったはずだ。
ところが、郵政を民営化すればすべてが解決するという小泉政権のスローガンのもと、民営化の是非のみに焦点があたり、郵政改革は、もう一つの銀行、生命保険会社、物流会社をつくるという形でひとまず決着した。
それが抜本的に見直されるわけだが、郵政改革で問われるべきだったのは、国民の利便を維持しつつ、役割を終えた事業を縮小したり、やめるということだった。その原点に立ち返った改革を実行できるかが、鳩山政権に問われている。
振り出しに戻るだけで、赤字が出たら税金で穴埋めするといった、安易な対応は許されない。(毎日jp)
「役割は終わっている」のでしょうかね?
かんぽ生命保険とは